ユグドラシルの記憶 第6話

fantasy

第6話

ーユグドラシルの笑顔ー

花織の笑顔を初めて見た。

すごく嬉しかった。

こんな笑顔を見てしまったら、元の体に戻るための犠牲にはできない。

そう思ったら、これからどうしたら良いのか分からなくなった。

でも今は、もう一度さっきの笑顔を見たい。

ーナレーションー

ユグドラシルの意思・・・

肉体と魂を持ったことで起こった副作用・・・

名前で呼ばれることで自分の存在がより明確になり・・・

心が生まれる。

少年は気づき始めた・・・

自分だけの旅ではなくなったことに。

そして・・・

ひより

「せっかく自由に動けるんだから、研究所の中を見て回ろうよ」

花織

「うん、わかった」

僕たちは研究所の中を見て回った。

シオンさんからもらった携帯電話。これを使えば扉も開くし、買い物もできるそうだ。

子供の時に行った工場見学みたいで、少しワクワクした。

そして・・・みつけた。

自動販売機!!

ひより

「自動販売機!!ここにもあるんだ。飲んでみよっか?」

花織

「試してみる」

僕は携帯を使ってオレンジジュースとリンゴジュースを買った。花織が不思議そうに見ている。

ひより

「どっちがいい?」

花織

「オレンジを飲んでみる」

ひより

「じゃあ僕はリンゴだ」

「・・・あっ美味しい!!」

その時、花織が悲鳴?をあげた。

花織

「あぁぁぁぁぁぁーーー」

「これは!! シュワシュワ!! 口の中で泡が弾ける」

「おいしい・・・甘い」

そうだ。花織は初めて体を持ったんだ。味を感じるのも初めて。

僕は花織の反応が嬉しくて、ついイジワルをしてしまった。

ひより

「これはね、炭酸が入っていて、口の中でシュワシュワするのを楽しむジュースなんだ。だから、いっきに沢山飲んで喉を通るのを楽しんでみて」

花織は素直に「うん」と答え、真剣な表情で飲み始める。

ゴクッ ゴクッ ゴクッ

花織

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁー」

「喉がシュワシュワする!!これが、炭酸」

そして・・・・・

フッ!!」

げっぷが出た。

僕は大笑いした。

こんなに大きな声を出して笑ったのは久しぶりだった。

花織の口からジュースがこぼれる。

それを見て、また笑った。

ひより

「どうだった?花織?おいしかった?」

僕は花織の笑顔を期待して顔を覗いた。

花織

「・・・・・・・・・」

あっ・・・

怒ってる・・・

ひより

「すみませんでした」

花織

「こうなることは知っていたのね!」

ひより

「はい、知っていました」

僕は花織の笑顔ではなく、

困った顔、驚いた顔、そして怒った顔を見ることができた。

怒った顔は少し・・・怖かったな・・・。

花織

「いいわ。気にしない!」

やっぱり怒っているよなあー

ーナレーションー

少女もまた気づき始めた。

体の内側から感じる「感情」の存在。

そのころ・・・

監視カメラの映像をたまたま見ていたシオン。

シオン

「フッ あいつら何やっているんだ?」

と微笑みを浮かべていた。

つづく

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