第9話
ー二人の道ー
特殊部隊が撤退した後、シオンさんがずっと考え込んでいた。
知り合いだったみたいだけど、どういう関係なんだろう・・・
僕はしばらく、シオンさんの後ろから様子を見て声をかけるタイミングをうかがっていた。
ふと、横を見ると花織が心配そうな顔で僕を見ていた。
花織
「ひより、さっきのチカラは自由に使えるの?」
ひより
「自由には使えないと思う。自分でもどうなったか分かっていないんだ」
花織
「あのチカラは私にも分からない。でも、ホムンクルスと人間の魂が融合することで得られたのは身体能力だけじゃないってことよ。これは人の可能性、、、」
「ひより、体は何ともないの?」
ひより
「うん、大丈夫みたい。今は花織が無事で良かったと安心してる」
花織が笑顔で頷いてくれる。
ほんと、無事で良かった。

シオンさんが立ち上がってこっちを向いた。
元気がない暗い顔をしている。
シオン
「悪いな。少し考え事をしていた。さっきの隊員の一人はな、俺の幼馴染なんだ」
「一緒に行動することが多かった。ほんとに、、、飽きもしないでよく遊んだもんだ」
「大人になってから俺は研究者の道を選び、あいつは兵隊になることを選んだ。それからもちょくちょく会っていたんだが、俺が星を救う研究に携わるようになったあたりでパッタリと連絡をしなくなった。あいつからも連絡は来なかった」
「最後に会ったのはいつだったかな、、、5年か6年前に飯食ったきりだな。その時にあいつが言っていたんだよ。”お前の研究を邪魔する奴がいたら俺がぶっ潰してやる”ってな」
ひより
「そうだったんですか、、、そんな人がシオンさんに銃を向けるなんて、、、」
シオン
「銃がひよりのチカラで壊れる前、俺たちを撃つ事はいくらでもできた。花織の確保が優先で俺たちの命を奪う命令が出ていなかったのか。それがどうあれ、あいつは俺と気づいていて結果撃たなかった。命令が出ていたとしても撃たなかったと信じたいねぇ」
「それより、ひより!あのチカラは何だ?ホムンクルスは人間と同じなんだぞ!」
ひより
「僕にも分からないんですよ。どうやったかも全く分からない」
シオン
「そうか、、、山登りの時の身体能力もあるしな。研究し甲斐があるな!」
シオンさんの表情に元気が出てきた。何か、、、ちょっと、、、
悪いことを考えているような気がするけど、、、
僕たちは研究所への帰路についた。
そのころ、撤収中の特殊部隊

トシ
(任務失敗か。ホムンクルスのチカラは想定外だ。まだ別のチカラがあるのか?さて、どうするか・・・報告次第では厄介な事になるな)
(それにしても、シオンのやつ!変わってないな。こんな形で再開するとは・・・ほんと、腐れ縁だよな。あんなとぼけた面を見せられたら昔の事を思い出すじゃないか・・・。研究者は研究だけをしといてくれよ。あまり俺の前をうろつかれると・・・守ってやれないぞ!)
シオン
(花織を狙って部隊が出動したって事は間違いなく情報が漏れているな。花織がホムンクルスと分かって動いている・・・。それだけか・・・?どこまで情報を知っているんだ?ユグドラシルから来た事も分かっているのか?だとしたら研究所も危ないかもしれないな・・・)
ピピピピ ピピピピ
シオン
「俺だ!どうした?」
研究員
「シオン!!今どのあたり?研究所のホムンクルスのフロアが破壊された!!データも消されていて、おそらくデータは持ち出されている!!早く帰ってきて!!」
シオン
「分かった!!すぐ戻る!!」
(くそ!!別部隊か?トシが俺たちを襲ったのと同時に研究所も狙ったのか)
何かが動き出した。
僕たちを狙う勢力。
???
「遂に見つけた!必ず成し遂げてやる!!」
つづく
第10話を書いたらここに貼りますね↓↓↓




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