第2話
ーホムンクルスー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・ゴボ ゴボ ゴボ ゴボ ゴボ ゴボ ゴボッ ・・・
水の中?
さっきまでと、まるで違う。苦しい。
水中で暴れてみるけど、どうしたらいいか分からない。
その時、
ビーーーー ビーーーー ビーーーー (緊急アラートのブザー音)
水が引いていく。
僕は流されるように地面に転がった。
・・・体がある感覚。
手も動く・・・足も動く・・・
少しずつ目が開いてきた。
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感覚がある。元にもどった・・・?
光の中の女性は夢だったのか?
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だんだんと目が見えてきた。
なんだ? ・・・ これは・・・
僕の体じゃない!
耳も変な形だ。尖っている。

周りが騒がしい。研究者みたいな人が沢山いる。
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???「落ち着いて」
すぐ隣に少女がいて、話しかけてきた。
少女「落ち着いて。とりあえず動かないように」
だれ?
少女「ユグドラシルから一緒に来たでしょ」
あっ・・・

夢じゃなかった。
タ タ タ タ タ タ タ タ タ
大勢の人が扉の向こうから駆けつけてきた。
銃を持った人たちをリーダーっぽい人が何かを指示している。
銃を向けられ、囲まれた。
・・・・・・沈黙・・・・・・・
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リーダー「ホムンクルスがなんで動いているんだ? 喋れるんなら答えてみろ」
少女「私とこの少年はユグドラシルから来た。あなた達が接触してきた光に導かれて」
リーダー「ユグドラシルってなんだよ。俺たちは・・・・・・
いや、とりあえず隔離しろ。話はそれからだ」
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僕たちは銃を向けられたまま連行され、ガラス張りの部屋に隔離された。
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リーダー「さて、これでゆっくり質問できる。まずはお前たちの事をなんて呼べばいい?
名前はあるのか?」
少女「私は・・・ない」
少年「ひよりです」
リーダー「ないのは困るな」
・・・
リーダー「じゃーお前は ”かおる” でいいか?」
ひより「なんで かおる なんですか?」
リーダー「お前たちのその体は ホムンクルス 人工的に作った人間だ。
人工物とはいえ人の姿をしているのに番号で呼びたくなかったんでな。
個々に名前を付けているんだ。で、その個体は ”かおる” だ」
かおる「それでいい」
リーダー「決まりだな。俺はこの研究所を仕切っている。名前は シオン。よろしくな」
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喋り方や雰囲気で安心感が伝わってくる。
何もわからない状況で僕は、この人は信用できると感じた。人を見る目は・・・
昔からなかったけど・・・
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シオン「さて本題に入るが、、、ユグドラシルから来たと言ったな。ユグドラシルとはなんだ?
どうやって来た?」
かおる「ユグドラシルは人の魂が生涯を終え、生まれ変わる場所。
人は生涯を終えると必ずその魂はユグドラシルにたどり着く。
私はユグドラシルの住人、生命体ではない。
この少年が現れなかったら、まずここへ来る事はできなかった」
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僕がユグドラシルに来た経緯(いきさつ)を説明していくにつれシオンさんの表情が困惑して
いった。
シオン「俺たちは、ある理由で知識が集まるとされている場所を探していてな。
その場所を特定するために人間の魂がカギになっているって事が分かったんだ。
ここは魂に、、、人の心に触れる研究をしている」
ひより「その研究がこのホムンクルスですか・・・」
シオン「そうだ。ホムンクルスの体にプログラムされた疑似的な魂を入れて生と死を繰り返す。
そうすると魂がお前たちで言うユグドラシルに向かい知識を回収して来ないかって
実験中だった。それなのに実験を始めてから3年、何の成果もなしで
いきなり動くはずのないホムンクルスが動いたから、みんなビックリだ」
かおる「この少年は本物の魂としてホムンクルスに宿った。私は少年の魂に導かれ、作られた魂と
融合することでこの体に宿った。この体は完成されているから動かせた」
シオン「ホムンクルスは人間と全く同じように作られた。同じように作ったはずだが
耳だけは何故か尖った」
ひより「この耳は勝手にこうなったんですね・・・・・・
・・・・・っ!! 体が痛い! なにかが体中に・・・」
かおる「魂がこの体に馴染んできた」
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僕の体は熱くなり髪の毛の色も少し変わった。
尖った耳が普通の形状に変わっていく。
さっきより鮮明に体のあらゆる感覚が感じ取れる。
かおるも一緒だ。瞳の色が・・・いや表情が感じ取れる目になっている。
そして・・
かおるの髪色はきれいな銀色になっていった。
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シオン「そうだったのか。魂が宿っていない人間は耳が尖っているんだ。
母親のお腹の中にいる赤ちゃんはよく耳が尖っているって聞くけど
魂がまだ馴染んでいない状態なんだな」
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かおる「この髪の色、、、」
つづく
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